カメラレンズはきれいに磨かれていてこそ、一瞬を美しく撮影できます。しかし、撮影状況や環境によっては、カメラレンズに結露が生じることがあります。結露して白く曇ったカメラレンズでは、写真撮影時の鮮明さを損なうばかりか、カメラ本体の故障も招きかねません。
今回は、カメラレンズに結露が生じる原因や結露を防ぐための対策、結露が生じた場合の対応策を紹介します。カメラレンズの結露に悩まされている方は、大切なカメラを守る参考にしてください。
【目次】好きな場所から読めます
カメラレンズに結露が出る原因
結露とは、空気中を漂う水蒸気が物体表面に触れて凝縮する現象です。冬場の窓ガラスにびっしりとついた水滴を見た経験がある方も多いでしょう。暖かい空気中の水蒸気が冷えたガラスなどに触れて、急激に冷やされることが結露発生の原因です。
カメラレンズに結露が出る原因も、レンズと外気に大きな温度差です。
では、なぜカメラレンズに結露が出やすい状況が整うのでしょうか。
以下では、カメラレンズに結露が生じる代表的なケースを紹介します。
カメラレンズに結露が出やすい状況
カメラレンズに結露が出やすい状況には、主に3つのケースがあります。
・寒い場所から暖かい場所にカメラを持ち込んだとき
寒い屋外から屋内へ入ったときや、冷房の効いた室内から熱い外へ出たときに、カメラレンズに結露が生じるケースがあります。寒い場所で冷やされたカメラレンズに暖かい場所の空気が触れて、空気中の水蒸気が冷えてしまうためです。 ・雲海など湿度の高い場所で撮影しているとき 雲海や朝靄のかかった景色は撮影好きに人気があります。しかし、雲や靄・霧が間近に見える環境は、湿度の高い場所である証拠です。空気中の水蒸気がすぐ水滴として付着するため、カメラレンズにも結露が出てしまいます。 ・夜空の下で長時間にわたって撮影しているとき 天体撮影や星空撮影など、夜空の下で長時間にわたって撮影を行うときは夜露が出やすい環境です。日中に暖められていた空気が夜間は冷やされるため、カメラレンズの夜露対策が必要となります。 |
結露はカメラやレンズの損傷につながることも
カメラレンズの結露は撮影に支障をきたすだけでなく、カメラ本体やレンズの損傷につながることもあります。
カメラレンズの結露による主な損傷には、以下が挙げられます。
・カメラ本体やレンズのカビ
結露によってカメラ本体やレンズに付着していたホコリが湿り気を帯びると、カビが発生するケースがあります。カビると見た目を損なうことはもちろん、撮影しても白く曇って綺麗に写せません。また、カビがレンズ内に発生するとクリーニングが困難になります。 ・金属部の腐食 カメラやレンズに結露が生じることで、ボディ外装や鏡胴などの金属部が腐食する可能性があります。とくにマウント部分やアタッチメントが腐食すると、パーツ接合ができなくなるケースもあるため、注意してください。 ・回路のショート デジタルカメラはもちろんカメラレンズにも電気回路はあるため、結露した水滴が本体の回路にまで達するとショートする可能性があります。レンズのマウント部分に電子接点がある製品も、結露によるショートに注意しましょう。 |
カメラレンズの結露対策
カメラは光学部品であるレンズや精密な電子回路で構成されており、水滴が付着する結露はカメラにとって大敵といえます。しかし、結露の問題があることはわかっていても、屋外や冬場にカメラを使用したい方は多いでしょう。
ここからは、カメラレンズの結露対策として有効な方法を2つ紹介します。
急激な温度変化を避ける
急激な温度変化は結露が出る原因となるため、カメラレンズを使用するときは急激な温度変化を避ける対策が必要です。
とくに寒暖差が大きい冬場は以下の対策方法を徹底しましょう。
・撮影場所から車で帰る場合
撮影を終えて車で帰るとき、カメラバッグに入れたカメラも一緒に車内へ置くことは厳禁です。エアコンを使って車内を快適な温度に調節すると、外気温との気温差が大きい環境になってしまいます。そのため、カメラはエアコンの効いた車内よりも、エアコンから離れたトランクなどに置いておきましょう。
・屋外から屋内へ入る場合
屋外から屋内へ入る場合は、カメラを一度玄関など空調の効いていない場所に置くようにしてください。屋外との気温差が少ない場所に置くと、カメラレンズが徐々に屋内の温度に慣れることで結露を防げます。
タオルやレンズヒーターを活用する
極度の寒冷地や湿度が高い場所など、結露や夜露が出やすい環境で撮影する場合は、カメラ本体もしっかりと結露・夜露防止を行わなければなりません。
カメラ本体の結露対策には、タオルやレンズヒーターが有効です。
・カメラ本体をタオルで覆う
カメラ本体をタオルで覆うと、タオルが断熱材の役割を果たして温度変化を緩やかにしてくれます。寒冷地で撮影する場合は、カメラを持つ手の熱でさえ結露が出る原因となりかねません。カメラレンズを結露から守るために、タオルも忘れず持参しましょう。
・レンズヒーターでレンズを温める
レンズヒーターとは、ベルト状の電気ヒーター部分をレンズ鏡胴に巻くことで、レンズを温められるアイテムです。モバイルバッテリー式のレンズヒーターは、屋外でもしっかりと発熱してレンズを温めてくれます。レンズの温度が上がっている状態であれば、気温が低い・湿度が高い撮影環境でも結露は起こりません。
カメラレンズに結露が出た場合の対応策
では、結露対策していてもカメラレンズに結露が出てしまったときはどうすればよいのでしょうか。表面の水滴は布で拭いたとしても、内部の結露までは拭き取れません。
ここでは、結露発生後に取るべき2つの対応策を解説します。
①結露が出ているときは電源を入れない |
まず、カメラレンズに結露が出ているときは電源を入れないでください。表面からは見えない回路も結露していた場合、電源を入れるとショートする可能性があります。
回路まで結露していても十分に乾燥させれば問題なく起動するケースもあるため、自然乾燥させることが第一です。 |
②シリカゲル入りのポリ袋にカメラを入れて乾燥させる |
結露したカメラは、袋入りのシリカゲルと一緒にポリ袋へ入れておきましょう。シリカゲルが水分を吸収するため、カメラレンズを乾燥してくれます。
シリカゲルと一緒に袋に入れることは、カメラ内部が結露したときも効果的な方法ですが万能ではありません。 |
なお、結露した水分を乾燥させようとドライヤーなどで高温の風をカメラに当てる行為は絶対に避けてください。結露が出ているカメラレンズは冷えているため、高温の風で急激に温めると変形する恐れがあります。レンズ内部にホコリが入り込むケースもあることから、ドライヤーで乾燥させる方法はおすすめできません。
結露が原因で損傷したカメラでも売却できる
結露によってカビなどが発生したカメラやレンズは、いくら丁寧に乾燥・クリーニングを行っても元の状態に戻らないことがあります。
損傷したカメラを処分したい場合は、売却することも一つの方法です。
ただし、結露が原因で損傷したカメラは、状態がよいものに比べて買取価格が下がってしまいます。とくにカメラの知識がない買取業者を利用した場合、買取価格さえつかないケースもあるため、注意してください。
また、一般的な買取店よりも、カメラについて専門的な知識のある業者に依頼するほうが、状態がよくないカメラでも高い買取価格が期待できます。
カメラレンズの結露が原因で状態がよくないカメラを売却したいときは、「買取ステーション」で買い取ってもらうことがおすすめです。「買取ステーション」はカメラや交換レンズを幅広く買取対象としており、レンズにカビが生えていても撮影に大きな支障がなければ買い取ることができます。
結露が原因で損傷したカメラ・レンズは「買取ステーション」で査定・買取してもらいましょう。
まとめ
カメラレンズに結露が生じるのは、冷えたレンズに暖かい空気中の水蒸気が付着することが原因です。とくに冬場や屋外での撮影は結露が起こりやすく、放置するとカメラやレンズの損傷・故障につながります。
結露を防ぐために、カメラを持ち運ぶ際は急激な温度変化が起こらないよう注意しましょう。結露が出やすい環境で撮影する場合は、タオルやレンズヒーターで対策してください。
結露により損傷したカメラなど機材を売却したい際は、カメラに詳しい買取業者がおすすめです。「買取ステーション」はカメラレンズの豊富な買取実績があり、撮影に支障がなければ損傷したカメラでも買い取れます。まずは気軽に査定を申し込んでみましょう。