元々は電話の交換手のために作られていたヘッドホン
現代では当たり前のように音楽鑑賞用の機器として利用され買取価格にも相応の値段がつくヘッドホンですが、その歴史は古く意外と知られていないものです。今回はヘッドホンの歴史について見ていきましょう。
まずその起源ですが、これは1881年に電話交換手用に開発されたものとなります。イヤーピースは片方しかありませんし、かつ10ポンド(約4.5キログラム)もあるため肩に乗せながら使用していたとのことです。現在からは考えられないほど不便で重く、電話交換手という専用の職業のための製品でした。そして1895年になると音楽を聴くためのエレクトロフォンという機器が開発され好評を博すことになります。ただこのエレクトロフォン、聴診器のような形をしていて柄の部分を持ちながら聴くというスタイルなのです。
一般市場へ本格的に出回るのは戦前のころから
1910年になると、ナサニエル・ボールドウィンの手によって現代風のヘッドホンが作られるようになります。ボールドウィンは電気技師であり空気圧縮機の操作手であったため、圧縮空気を使ってヘッドホンの音の増幅実験を行っていたのです。ちなみに最初の作品は彼の台所で作られたとのこと。ともかくアメリカ海軍にその性能を評価されたため売却することになりました。その際、アメリカ海軍から特許を取るよう勧められたのですが「下らない」事だとして特許は取得しなかったようです。もったいないことですが、厳しい戒律で知られるモルモン教を支援していたことが関係しているのかもしれません。そうして1958年にはヘッドホンメーカーのコスから一般向けのステレオヘッドホンが販売されるようになりました。買取品目としてはやはりアンティーク家具となるでしょう。
テクノロジーの進化に伴い改良が続けられていく現代のヘッドホン
ヘッドホンとつながりの深い機器と言えばウォークマンです。1979年にソニーが開発した携帯型オーディオプレーヤーのウォークマンは世界的なヒットとなり、周辺機器であるヘッドホンの普及にも繋がりました。やがて1997年になると近距離無線通信を実現した規格「ブルートゥース」が広まり無線接続のヘッドホンが現れるようになります。以降、ノイズキャンセリングヘッドホンなどの製品が出回るようになるわけです。