スピーカーは音楽を聞くために欠かせないオーディオ機器であり、さまざまなモデルが販売されています。スピーカーを購入する際はどのように選ぶべきか、見た目と性能のどちらを重視すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
スピーカーの選び方におけるポイントはいくつかあるため、前もって把握しておきましょう。
今回は、自分に合うスピーカーを選ぶためのポイントを解説します。スピーカー選びで失敗したくない方は参考にしてください。
【目次】好きな場所から読めます
スピーカーとは?種類ごとの特徴
スピーカーとは、プレーヤーやパワーアンプから出力された音を再生するための音響機器です。仕組みとしては、プレーヤーから出力された音声信号をスピーカーが受け取り、スピーカーユニットで物理振動に変更し音の波を作っています。
よく使われるスピーカーとそれぞれの特徴は、以下の通りです。
◯ブックシェルフ型スピーカー
ブックシェルフ型は小型~中型であり、四角い箱型のスピーカーです。筐体の大きさが手頃であるため、音響設備を省スペース化できる利点があります。
◯フロア型スピーカー
フロア型は床に直置きするタイプのスピーカーです。サイズは中型~大型であり、低音域の表現に優れている特徴があります。
◯トールボーイ型スピーカー
トールボーイ型は高さがあり、横幅・奥行がスリムなタイプのスピーカーです。筐体形状は縦長であるためスピーカーユニットを複数搭載することができ、低音域の表現に優れています。
パッシブスピーカーとアクティブスピーカーの違い
スピーカーは、音の増幅を行うアンプを内蔵しているかどうかにより、パッシブスピーカー・アクティブスピーカーの2種類に分けられます。それぞれの違いは下記の通りです。
パッシブスピーカー | アクティブスピーカー | |
アンプの内蔵 | 内蔵していない | 内蔵している |
音質 | 高い傾向がある | 低い傾向がある |
価格 | 高い | 安い |
パッシブスピーカーにはアンプが内蔵されていないため、プレーヤーと接続する際は別途アンプを用意する必要があります。音質に優れており、高音質で音楽を楽しみたい方におすすめです。
一方、アクティブスピーカーは音の増幅を内蔵アンプで行うため、音質自体は低い傾向があります。しかし、価格は安いため音楽を手軽に楽しみたい方におすすめです。
スピーカーの選び方のポイント
スピーカーを選ぶとき、製品の基本仕様を見て決める方が多いのではないでしょうか。しかし、スピーカーの仕様にはさまざまな項目があり、単純に高機能・ハイスペックの商品を選べば良いわけではありません。
ここでは、自分に合うスピーカーを選ぶ際に押さえるべき7つのポイントを解説します。
【形状】希望のセッティングができるか
スピーカーの主な形状はブックシェルフ型・フロア型・トールボーイ型の3種類があり、設置方法や大きさが異なります。自分が作りたいオーディオ環境のセッティングができるかどうかを考え、スピーカーの形状を選びましょう。
◯ブックシェルフ型スピーカー
コンパクトな製品が多く、本棚やラック上に置くことができます。スピーカー本体に脚がないため床に直置きすることは避け、スピーカースタンドを使用しましょう。
◯フロア型スピーカー
サイズが比較的大きいため、床に直置きして使用します。セッティングのために広いスペースが必要な点は不便であるものの、スピーカーを目立たせたい方におすすめです。
◯トールボーイ型スピーカー
床に直置きするスピーカーであり、設置スペースはあまり取りません。テレビやプロジェクタースクリーンの脇など、接続する音響機器の近くに設置します。
【ユニット】低音の再生力を重視するか
スピーカーを音質で選ぶ際は、音を再生するパーツの「スピーカーユニット」の個数に注目しましょう。フルレンジと呼ばれるスピーカーは、高音域~低音域を1つのユニットで再生する製品です。
一方、高音域用のツイーター・低音を担当するウーハーと2つのユニットを搭載するスピーカーは「2WAY」と呼ばれます。
2WAY以上のユニット数を搭載したスピーカーはマルチウェイとも呼ばれ、ユニット構成数が多いほどサウンド性能は高くなります。低音の再生力を重視する場合は、2WAY以上のスピーカーを選びましょう。
ただし、ユニットが多くなると出音場所が分散するため、音の定位性が損なわれるデメリットもあります。
【出力音圧レベル】どれくらいの音量で聞くか
スピーカーから出力される音の大きさを知りたい場合には、出力音圧レベルの数値が役立ちます。出力音圧レベルとは、アンプなどから入力された電力を音へと変換する効率のことです。単位はdB(デシベル)で表され、数値が大きいほど少ない出力で大きい音量の出力ができます。
家庭用のスピーカーであれば、最低でも出力音圧レベル80dB以上のスピーカーを選びましょう。広い部屋で大音量の音楽を楽しみたい場合は、85dB程度の製品がおすすめです。
【インピーダンス】アンプに対応しているか
スピーカーとアンプを接続する場合、必ずチェックすべき項目がインピーダンスです。インピーダンスとは電気抵抗の大きさを示す数値であり、単位はΩ(オーム)で表されます。インピーダンスの値が小さいほど大きな電流が流れやすくなり、アンプの出力が低い状態でもスピーカーから大音量を流すことが可能です。
ただし、スピーカーをアンプと接続する際は、アンプ側のインピーダンスも確認しなければなりません。アンプ側よりもスピーカー側のインピーダンスが小さすぎると、設計時の想定以上に大音量が出る可能性があり、スピーカーが故障することもあります。
スピーカーのインピーダンスは、アンプ側と同等かアンプより高い数値を選んでください。
【再生周波数】ハイレゾ音源を利用するか
スピーカーには再生周波数帯域と呼ばれる、Hz(ヘルツ)の単位で表される音域が設定されています。たとえば再生周波数50Hz~40kHzのスピーカーであれば、再生できる音域は低域50Hzから高域40kHzまでです。
再生周波数はスピーカーによって異なるため、自分の楽しみたい音楽が再生できる製品を選びましょう。
ハイレゾ音源で臨場感あるサウンドを楽しみたい方は、スピーカーの再生周波数が対応できるかどうかを確認してください。ハイレゾ対応のスピーカーは、高域40kHzを再生できることが要件となっています。
【素材】聞こえ方や雰囲気がマッチするか
スピーカーの筐体はエンクロージャーとも呼ばれ、主な素材には木・金属・プラスチックの3種類があります。筐体素材は見た目を決めるだけでなく、ユニットから流れる音の聞こえ方を左右する重要なポイントです。
◯木製
木製の筐体は見た目に温かみがあり、落ち着きのあるインテリアとして調和します。木が音をほどよく吸収するため、柔らかく温かい聞こえ方が特徴です。
◯金属製
金属製の筐体はユニットによる振動を抑え、音をしっかり聞かせてくれます。メタリックな色合いはクールな質感であり、スタイリッシュなスピーカーを求める方に人気です。
◯プラスチック製
プラスチック製は音質が劣りやすいものの、軽量で扱いやすい点がメリットです。特徴的なデザインの製品が多く、湾曲・球形など外観に音響上の工夫を凝らした製品もあります。
【メーカー】ブランドの得意ジャンルや個性が合うか
スピーカーはメーカーごとに得意ジャンルや個性があるため、自分が聞きたい音楽のジャンルと照らし合わせて選びましょう。
人気メーカー3社のスピーカーは、以下の通りです。
◯YAMAHA(ヤマハ)
YAMAHAは、ナチュラルサウンドをコンセプトに製品作りを行うメーカーです。YAMAHA製のスピーカーは音質がクリアであり、自然ですっきりとした音表現が魅力となっています。
◯ONKYO(オンキヨー)
ONKYOは、自社生産により高品質なスピーカーを送り出す音響機器メーカーです。高音域の表現力が高く評価されており、クラシックなどの再生に適しています。
◯JBL
JBLは、アメリカに本社を置くオーディオメーカーです。JBLのスピーカーは低音再生に優れていることが特徴です。エネルギッシュな音を出せるため、ジャズやハードロックとの相性が良いメーカーとして人気があります。
重視するポイントは人それぞれで異なるため、自分が重視したい部分を検討したうえでスピーカーを購入しましょう。
まとめ
今回は、自分に合うスピーカーを選ぶためのポイントを解説しました。
スピーカーは、ブックシェルフ型・フロア型・トールボーイ型の3つに種類分けができます。基本は希望のセッティングができる形状を決めてから、自身が必要とする性能面の選択を行いましょう。
現在使用しているスピーカーが古くなっており、新しいものに買い替えをしたい場合は、買取ステーションに買い取ってもらうことがおすすめです。古いモデルの商品も買い取ってもらえるため、まずは査定を依頼することから始めましょう。