身内に不幸が起こってしまった際は、遺品を整理する必要に迫られます。
気持ちの整理が付けられない中で、さらに遺品の整理もしなければならないことは、遺族にとって大きな負担となることです。
しかし、いつまでも遺品を放置しておくわけにもいかず、賃貸物件の場合は退居日が迫っていることも少なくありません。
そこで今回は、遺品整理をするコツや当日必要となるもの、事前に把握しておくべき遺品整理の手順について解説します。遺品整理を効率的に行いたい方は、ぜひ参考にしてください。
【目次】好きな場所から読めます
遺品整理とは?
「遺品整理」とは、その言葉の通り、亡くなった方の残した物品を片付けることを指します。
人が亡くなった場合、それまで居住していた部屋や、保持していた倉庫などは、そのままの状態で残されていることがほとんどです。
そのような場所には、遺産相続の対象となる財産価値があるものだけではなく、家具家電や衣服、食器類といった生活用品も「遺品」として多く残っています。
財産価値のあるなしに関わらず、残された故人の所有物は、基本的に遺族や親戚の方が整理・保管・処分しなければなりません。
遺品整理は、残された人間が故人との思い出も物品と共に整理して、お別れの区切りとする重要な役割も果たします。心残りのないように行いましょう。
遺品整理に必要なものと手順
遺品整理を行う際は、最低限以下のものが必要となります。
片付け当日に買い物にいく手間を省くためにも、事前準備をしておきましょう。
〇遺品整理を行う際に必要なもの |
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上記以外に、夏場は熱中症予防の飲みもの、冬場は防寒着など、季節に合った対応策を取っておくことも大切です。
また、遺品整理は以下の流れで行うと、後で大きなトラブルが発生したり手間取ったりする事態を防げます。
〇遺品整理の主な流れ |
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故人が賃貸住宅に住んでいた場合は、退居までの時間制限があるため、早々に遺品整理を終わらせなければなりません。
また、相続人が複数いる場合や、故人と深い付き合いがあった人間が他にいる場合、勝手に遺品を処分してしまうことで後々大きなトラブルに発展する可能性があります。
必ず関係者・相続人全員に連絡を取り、遺品整理の日取りや整理方法に同意を得ましょう。
遺品整理をする4つのコツ
遺品整理をする際には、通常の片付けと同様の方法で片付けてはなりません。
ものによっては形見分けを望まれていたり、金銭が絡んだ物品の場合は相続人同士で大きなトラブルとなったりするため、注意が必要です。
ここからは、遺品を整理するコツを、4つのポイントに分けて詳しく紹介します。
衣服・所持品の形見分けをする
遺品整理の中でも、形見分けは非常に重要な作業です。
故人が生前大切にしていたものはもとより、日頃何気なく使っていた品でも、誰かにとっては大事な形見の品となることがあります。
自分には不要だと判断し、すぐにゴミとして廃棄処分せずに、欲しがっている人がいないかを確認するまで保管しておきましょう。
衣服や所持品の中に価値の高いものが含まれている場合は、遺品ではなく「遺産」として分割の対象になる可能性があるため、確認が必要です。
トラブルの原因とならないためにも、形見分けは慎重に行いましょう。
現金やカードなどは保管しておく
現金やカードをはじめとした以下の貴重品や書類などは、遺産相続の際に必要となるため、まとめて保管しておきましょう。
〇遺品整理の際に保管しておくべきもの | |
預貯金 | 現金・キャッシュカード・通帳・印鑑・クレジットカード・関連書類など |
金融 | 株式・債券・その他の金融資産など |
年金 | 年金手帳・関連書類など |
保険 | 生命保険・損害保険・火災保険・地震保険など |
貴金属 | アクセサリー・腕時計・金塊・記念硬貨など |
不動産 | 登記簿・登記済権利証など |
債務 | 各種借金・ローンの契約書類など |
インフラ | 公共料金・携帯電話・ネット回線など |
近年はネットバンキングや仮想通貨などのデジタル遺品も増えています。
故人がパソコンやスマホを持っていた場合は、中のデータを確認することも必要です。
同時に、タンスの中などに現金やへそくりを隠しているケースもあるため、気付かないまま捨ててしまわないように注意しましょう。
資産価値のあるものを処分する際は家族・親族と話し合う
預貯金や保険金以外にも、貴金属類をはじめとした骨董品や美術品といった資産価値があるものは、遺産相続の対象となります。金融資産や不動産なども同様です。
故人が遺言状に処分方法を書き残している場合は、遺言状に従う必要があります。
遺言状がない場合や、処分方法が明記されていない場合は、必ず家族や親族と話し合いましょう。
処分した場合、売らなかった場合、それぞれのお金の分け方を事前に決めておくことで、大きなトラブルに発展することを避けられます。
売れるものはリサイクルショップや買取専門店に売る
形見分けされず、大きな資産価値がないものを処分する場合は、捨てる前に売れるものかどうかを確認しましょう。
保管状態が良い衣服や日用品、インテリアなどはリサイクルショップなどで売却できる場合があります。また、大型の家具や家電などは、売却してしまえば処分費用がかかりません。
一部の家電製品は思いのほか高値がつく場合があるため、ネットなどで調べてみましょう。
自分で遺品整理をするメリット・デメリット
遺品整理を自分で行うことには、メリットがあると同時にデメリットも存在します。
ここでは、メリット・デメリットの中でも代表的なものを2つずつ紹介します。
◯自分で遺品整理をするメリット |
自分で遺品を整理すれば、ダンボールなどの購入費用だけで済みます。 遺品整理業者に依頼する場合に比べて、金銭的負担は非常に軽くなるでしょう。
一つひとつ丁寧に片付けることで、心残りや罪悪感を軽減することが可能です。 また、思い出の品を見つけたり、日記やアルバムから新しい発見があったりすることでも、気持ちに区切りを付けることができます。 |
◯自分で遺品整理をするデメリット |
遺品整理は早くても数日かかることが基本で、ものが多い場合は数週間以上かかってしまうことも少なくありません。 思い出に浸ってしまったり、処分する決心がつかなかったりすることも、遺品整理に時間がかかってしまう理由です。
遺品整理の対象となるものは、軽い小物ばかりではありません。 家具や家電などは売却するにも処分するにも非常に労力が必要となります。自分や協力者に力がなかった場合、中々作業が進められません。 |
遺品整理をするなら専門業者や買取専門店を活用しよう!
遺品整理は多くの時間や気力、体力が必要となる作業です。
近年では家族や親戚が近隣に住んでいないことも多く、自分で全てを行うとなると、精神的にも肉体的にも疲弊してしまう場合があります。
遺品の量が多い場合や、途中まで作業してみて限界にきた場合などは、遺品整理業者の手を借りることも選択肢の一つに入れましょう。
遺品整理業者の中には、専門家と連携して各種手続きの代行サービスを行ってくれるところもあるため、遺族の負担を軽減することが可能です。
また、買取専門店の中には遺品整理の手伝いをしているところもあります。
遺品整理にかかる負担を減らせるだけでなく、価値のある品物を高値で買い取ってもらえる可能性があるため、一度相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
遺品整理は、通常の片付けとは異なり、慎重な仕分け作業が必要となります。
形見分けや遺産相続に絡む人間が複数いた場合、迂闊に遺品を処分してしまうことで、大きなトラブルに発展しかねません。
遺品整理の際は、家族や親戚と日取りや整理方法の合意を得て行い、個人の判断で勝手に遺品を処分しないことが最も大切です。
人手が足りず、作業がなかなか進められないときは、遺品整理の手伝いをしてくれる買取業者や、専門業者などに依頼することをおすすめします。